11/30 朝会の話「人権週間」全国の学校では、毎年、12月のはじめのこの時期に人権週間を設けて、人権について集中的に勉強しています。 では、人権とはなんでしょうか? 人権とは、「人は誰もがその人らしく幸せに生きていくことができる権利」のことです。しかし、現在も世界のあちこちで、戦争やテロのようなことで、多くの人が死んだり、家族をなくしたりしています。日本でも、毎日のように事故や事件で命を失う等悲しい出来事やあってならないような事件が起こっています。身近なことでは、いじめ、差別、虐待・・といったことがあります。 さらに,今、病気、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って,感染した人や医療従事者,またこれらの方々の家族などに対する偏見や差別といった様々問題がおきています。 SNSで他人を誹謗中傷するといったインターネット上の人権侵害も深刻な問題となっています。 皆さんはどうですか?人のいやがることを、したり言ったりしてませんか?自分と違うからと人をからかったり笑ったりしていませんか? 人は、みんな違います。顔、体の大きさ、皮膚の色、性格、障害のある人、男の子と女の子・・・など、みな違います。 でも、みんな一人一人が、かけがえのない命をもっていて、精一杯生きています。人はみな、その人なりに、人として生きる権利をもっているのです。ですから、自分を大切にすることはもちろんですが、同時に、他の人の命や他の人の気持ちも大切にしていかなければなりません。 「人権週間」を簡単に言えば、皆さん一人一人が、人として大切にされているか、大切にしているかを、いつもよりもっと気にして過ごす1週間ということになります。 これから熊本県に住む3年生が書いた「とびばこ」という作文を読みます。目と耳と心で 全集中で聴いてほしいと思います。 「とびばこ」 私は、体育があまり好きではありません。 なぜかというと、走るのもあまり速くないし、跳び箱や鉄棒や1輪車など、ほかの友達はできるのに、私だけなかなかできないのです。それに、みんなから笑われるのが何より悔しくていやだからです。 今日の体育は跳び箱です。準備体操をして、みんな、跳び箱の用意を始めました。 私はもう、逃げ出してしまいたい気持ちでいっぱいです。 用意ができました。優一郎君から、次々に跳び始めました。いよいよ私の番です。跳んでみるとやっぱり失敗です。2回目も失敗してしまいました。 3回目は、友達の跳び方を見て、さっきとちがう跳び方をしてみました。だけど、やっぱり跳べませんでした。何回跳んでもお尻が跳び箱の角に当たってしまいます。 初めは小さく聞こえていた笑い声が、どんどん大きく聞こえてきました。 その時 「笑うな!」 と、大きな声が聞こえました。一馬君です。体育館が一瞬、シーンと静まり返りました。私もびっくりしました。 しばらくすると、 「笑ってごめん」とか「がんばれ、がんばれ」、「もっと勢いをつけると跳べるよ」とか言うみんなの声が聞こえてきました。 私は思いっきり走りました。そして、手を強くつきました。身体が高く浮いたと思ったその時、私は跳び箱を越えていました。 やったあ、とうとうできたんだ。夢じゃないんだ。跳べたんだ。私はとても信じられませんでした。 みんなの拍手が聞こえてきました。 みなさん、どうでしたか。 みなさんは笑う人ですか。「笑うな!」と言う人ですか。「頑張れ!」と応援する人ですか。 北野小のだれもが「学校は楽しいな」と思う学校にするにはどうしたらよいかを一人一人考えてみましょう。 今年の人権週間の キャッチコピーは、「『誰か』のこと じゃない」 「誰か」のことではなく,自分自身のこととして考えてみてください。 |
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