12/25 終業式の話終業式、校長先生の今年最後のお話は、「象」のお話です。今から30年以上前にあった本当のお話です。その象の名前は「アヌーラ」と言います。動物園にいて、とても元気なオスの象でした。ある日、このアヌーラが病気になり、熱が出てしまいました。熱で目が潤み、体が震え、食欲もなくなりました。アヌーラはよろよろしながらも、必死に立ち続けていました。 象は大きな動物なので、一度横になってしまうと再び起き上がることが難しくなるからです。 そんなアヌーラを見ていた二頭の象がいました。その二頭が不思議な行動を始めたのです。一頭が右から、もう一頭が左から並ぶようにして、アヌーラに体を寄せていくのです。そして、左右からアヌーラを支え始めたのです。アヌーラはびっくりした顔をしましたが、やがてその意味がわかり、安心したように体をあずけました。 そんなことが二週間続きました。やっと、少しずつアヌーラは元気になっていきました。すると、アヌーラを支えていた二頭は、今度は一頭ずつ交代で支えるようになりました。これも二週間以上続きました。 なんとアヌーラが病気になって一カ月以上にわたって、象たちはこの行動をずうっと続けたのです。そのおかげでアヌーラはすっかり元気になることができました。 この三頭は、親子でも兄弟でもありません。でも、動物園で一緒に暮らしているうちに、仲間を支える強い気持ちが生まれていたのだと思います。 このお話は、「ともだちをたすけたぞうたち」という絵本にもなっています。この仲間に支えれらえた象のアヌーラは、今も元気で、東京の多摩動物公園で静かに暮らしています。年齢は70歳です。70歳というと、北野小学校と同じです。今、日本にいるオスの象では最高齢、一番長生きをしている象です。 この2学期、目標を決めてがんばったと思いますが、自分自身ががんばることと同じ位、アヌーラを助けた仲間の象のように、人のために、友だちのためにがんばってあげたことは、ありましたか? クラスのためにがんばれましたか。校長先生はきっとあったと思います。そして、三学期にもきっとあると信じています。 明日から始まる冬休みは、今年の終わりと新しい年の始まりがある「年末・年始」があります。出かけることがあると思いますが、事故にあわず元気にすごしてください。特に気をつけてほしいのは、交通事故です。今月、東京の世田谷区の小学生が、車にはねられ亡くなるという悲しい出来事がありました。飛び出ししない、自転車に乗っていても気をつけてください。 では、新年1月9日、3学期始業式に、またみんなで元気に会いましょう。 |
|