校章のいわれ
大正十五年度制定校章に組み合わせた二本の月桂樹は、「月の桂の木」と解して、拾遺和歌集の「久方の月の桂も折るばかり家の風をも吹かせてしがな」の古歌になぞらえ、すぐれた校風の樹立をめざすもの。
校名を浮き出して中心に配した雪は、清浄・純粋なものとして、子供たちの理想をかかげるもの。下の蛍は、中川畔のこの新宿の地に、昔数多くいたというので二匹を配して、古い土地柄を示している訳である。共に明るいすがたを横溢させ、本校教育の願いをこめている。
この蛍と雪の対称は、晋の車胤と孫康の故事における蛍雪の功にあやかり、立派な人間形成をめざす積極的努力を訴え、勧めているものである。後月桂樹は、滔滔たる中川の岸辺に根強く茂る若葦に代わって、蛍を共に新宿の地を象徴し、溌剌たる向上を示すようになった。