学校評議員 志水さんによる幼稚園のおはなし(不定期更新)

こんにちは。
北住吉幼稚園HPをお訪ねくださり、ありがとうございます。
今回も幼稚園の素敵なエピソードをお伝えいたします。

***********************************************

「6月のほし組さん」

 ほし組さんは、とうきょうすくわくプログラムで、引き続きビオトープ作りに取り組んでいます。ビオトープについての、ほし組さんたちの希望はとても具体的で、「カエルに来て欲しい!」「トンボに来て欲しい!」というものでした。自然が大好きなほし組さんらしいですね。

 さて、カエルやトンボが大好きでも、カエルの卵やヤゴを見たことがないお子さんも結構いるのです。カエルやトンボに幼稚園に来てもらうには、一体どうすればいいのでしょうか。
そこで、とうきょうすくわくプログラムの一環として、園ではプロの大人にアドバイスをもらうことができました。
「カエルやヤゴが育つには、池が小さすぎるかもしれないね」
 アドバイスを聞いて、ほし組さんは、ビオトープの池をより大きくすることにしました。
「少し木が繁りすぎていて、トンボが探しにくいかな」
 ほし組さんと先生たちは、周りの木を剪定して、トンボが池を見つけやすいようにしました。今頃はちょうどトンボの産卵期です。

 ところで、皆さんは、ヤゴの餌が何だか知っていますか? 実はボウフラなのです。私は全然知りませんでした。
 トンボが池を見つける前にボウフラが増えすぎてしまうと、園庭がヤブ蚊で一杯になってしまいます。みんなが刺されてしまいますね。

 そこで、ほし組さんと先生たちは、池にメダカを入れることにしました。メダカも、ボウフラを食べてくれるんですね。
 すると、今度はメダカが鳥や猫といった別の生き物に狙われることになります。
「何だか、メダカが減っているような気がする・・」
 誰かが気がつきました。メダカが減らないようにするには、一体どうしたらいいのでしょうか。ほし組さんたちは、今それを一生懸命考えています。うまく解決できるといいですね!

 周りの先生たちは、食物連鎖という言葉こそ出しませんが、ビオトープ作りを通じて、子どもたちに、自分たちの希望を叶えるだけではなく、自然の中での命の循環を体験によって学んでほしいと願っています。


***********************************************


「マザーズガーデン」

 マザーズガーデンは、園児の保護者の皆さんが整備している花壇です。苗を植えたり種を蒔いたり、その後は水をあげたり草を抜いたり、皆さんで手入れをしてくださっています。お花が咲くと、花は子供たちの遊びに大活躍です。しばらくは、花の花びらを使って色水を作る遊びがはやりました。しかし、そこは自然が大好きなほし組さんです。こんなことに気付きました。
「お花を取っちゃうと、ちょうちょの餌がなくなるね」
 そうなのです、ほし組さんはちょうちょにも遊びに来てほしいのです。そのためには、花は残しておかなくては。

 ここでも先生たちは、こうしたらどうかな? という誘導はしません。子どもたちの発想で、自分たちで工夫するのを待ちます。遊びの中で、子供たちには自然に創造性や子問題解決力が育ちますね。本当に素敵な幼稚園です。

 考えた末、ほし組さんたちは、色水ではなく、葉っぱを使ってお茶を作ることにしました。すり鉢で葉っぱをすりつぶし、水を入れると、緑色のお茶ができます。
 マザーズガーデンには、パセリやカモミールなどが植えられています。こういったハーブの葉っぱを使うと、いい香りのお茶になります。花壇に虫を呼び込むこともできるし、増えたら持ち帰って料理に使うこともできます。

 どうせなら、色んな種類のちょうちょに来てほしい。
 そう思ったほし組さんのために、ビオトープ作りに協力してくれたプロの大人がアドバイスしてくれました。ニチニチソウや、マリーゴールド、サルビアは、チョウも大好きな花を咲かせてくれて、花の咲く期間も長いそうです。そこで、マザーズガーデンにはこれらの花もたくさん植えられています。

 園庭にちょうちょがたくさん来てくれるといいですね!


ほし葉っぱ選び 葉っぱで色水 葉っぱの色水
***********************************************

「梅雨時のもも組さんブーム」

 時間が経ってしまいましたが、梅雨明け前のお話です。
 もも組では、ダンゴムシに代わって、雨上がりによく見つかるあの生き物がブームになっているそうです。そう、カタツムリですね。
 もも組さんは、園庭でカタツムリの殻を何度か見つけることがありました。そして雨上がりのある日のことです。「あっまた殻があった。」とつかんでみたら、何と中身が出てきました! もも組さんはびっくり仰天です。

 さっそく虫かごに入れて飼ってみることにしました。カタツムリを捕まえたら、一人が一つずつ虫かごを使って、日々の生活の中で観察しています。
 カタツムリは何を食べるのでしょうか。先生は、カタツムリの図鑑を探してきて子供たちに見せてくれました。図鑑を参考に、大人に手伝ってもらいながら野菜の切れ端を入れたり、草の葉っぱを入れたりしています。そして、自然な流れで次はこうなります。
「うわあ、うんちしたあ」
 そうなのです、食べた後のうんちの様子も観察できます。もも組さんにはこれも新鮮な学びのようです。その後、カタツムリに綱渡りをさせてみたり、カタツムリを題材に工作をしたり、カタツムリブームは様々な学びに発展していきました。

 特に面白かったのは、図鑑で「腹足」が話題になった時、透明な虫かごの側面を這うカタツムリを外側から見て、もも組さんが言います。
「え、カタツムリ、足がないよ。」
そこで、カタツムリの裏側を見ながら、先生が答えます。
「これが、全部足ってことなんだって。」
「えーっ、すごいね!」
 もも組さんはここでもびっくり仰天です。かわいらしいですね。


カタツムリの綱渡り

生き物大好き

こんにちは。 北住吉幼稚園HPをお訪ね下さり、ありがとうございます。
今日は、子供たちの間での最近のブームをお伝えしたいと思います。


北住吉幼稚園では、「とうきょう すくわくプログラム」の一環として、昨年からビオトープ作りが進行中です。
とうきょうすくわくプログラムは、乳幼児の「伸びる・育つ(すくすく)」と「好奇心探究心(わくわく)」を応援するプログラムで、主体的・協働的な探究活動を通じ、子供の豊かな心の育ちをサポートする取り組みです。
ビオトープは、簡単に言うと、本来の生態系を再現した空間で、自然に生き物が育つ様子を観察できます。幼稚園では、去年、ほし組さんと先生たちが園庭の端の方に小さな池を作り、池とその周りを自然に任せて、どんな生き物が現れるかを楽しみに観察しています。
そう!そのおかげか、ほし組さんは自然や生き物が大好き!ほし組さんに刺を受けて、もも組さんも虫や生き物に関心を持つようになりました。

ビオトープ作り ビオトープ作り

ダンゴムシブーム

とうきょうすくわくプログラムのお陰で、北住吉幼稚園には、生き物が大好きになったほし組さんと、そのほし組さんに影響を受けたもも組さんがいます。

そしてやって来ました、ダンゴムシブームです。
子供なら、誰でも一度はハマるダンゴムシ(笑)。
もも組さんは、登園するとすぐに、ダンゴムシ探しを始めます。でも、なかなか見つかりません。そこで、先生が声をかけました。
「ほし組さんに聞いてみたらどうかな。」
こんなときに頼りになるのは、生き物大好きなほし組さんです。さっそく、もも組さんはほし組さんに聞いてみます。すると、ほし組さんは一緒に探してくれるのでした。
「何かの下によくいるよ」「プランターの下はどうかな?」「ちょっと動かしてみようか」
何人かでプランターを動かしてみたら、いましたいました、ダンゴムシ。
もも組さんは歓声を上げて集まり、手にダンゴムシを捕まえるのでした。もも組さんの中にも、ミミズやチョウチョまで平気でつかむお子さんもいれば、虫は眺めるだけで満足なお子さんもいます。でも、ダンゴムシは不思議とみんなが好きなのです。
それからしばらくして、もも組さんは、ほし組さんが集まって地面を覗き込んでいるときには、そこにダンゴムシがいる!
と気づくようになったんだそうです。
ダンゴムシがつなぐ異年齢交流、素敵ですね。

もも虫探し

ダンゴムシブームその昔

筆者の子供の話で恐縮ですが、一年間とある私立幼稚園で過ごした後、北住吉幼稚園に移ってきました。その私立幼稚園では、小学校を意識してか一日のスケジュールが細かく決まっており、遊びの時間が少なくて、遊びの内容も先生が決めていました。「今日はみんなで〇〇おにをしましょう!」という感じですね。それが悪いということではなくて、好きなことに没頭したいタイプのうちの子供には合わなかったのでした。「幼稚園、行きたくないなー」と、よくため息をつかれたものです。
北住吉幼稚園に通い始めて2、3日、うまく馴染めるかなあ、と親は心配しながらお迎えに行きました。そしたらどうでしょう。 今日は充実してたなあ!
という満ち足りた気分満載の表情で、自信たっぷりに登場してきました。笑顔というより、ドヤ顔に近いです(笑)。とても安心した、この時のことは忘れられません。
「今日は朝からずうっとダンゴムシ探してましたよ。一時間半くらいですかねえ」
担任の先生がその日の様子を説明してくれました。
4歳児が1時間半とは、ずいぶん集中してたね。よっぽど楽しかったんだね。前の幼稚園では、そんなに長い時間自由に過ごすことはできなかったのです。
うちの子のダンゴムシブームは、その後1ヶ月以上続いたようです。
「幼稚園、超楽しい〜!幼稚園大好き!」
ブームの終わる頃には、にこにこしながらそう言うようになりました。
**★****


自然体験で得るもの

北住吉幼稚園は、とうきょうすくわくプログラムによって、ビオトープを作り、園児たちに豊かな自然を体験させています。このような自然体験は、将来どんなところに活きてくるのでしょうか。自然を大切に、環境保護の気持ちを育てることに、まず思い至ります。持続可能な社会を作るためにも、地球温暖化防止のためにも、自然に親しむことは大切ですよね。
筆者は、それに加えて、自然の複雑さにも目を向けられたらと思います。なぜなら、大人になってから直面する問題は、色々な要素が絡み合って複雑だからです。
例えば、少子化の問題などは、原因も一つではありませんし、自治体が色々政策を打ち出しているものの、これをやれば効果的、と最適な解答があるものではないようです。
色々な人が様々に生活していて成り立つ複雑な人間社会のシステムは、何かを一つ動かしても、少し揺らいですぐ戻ってしまうかに見えます。
色々な生き物がいて、水や土や日光やその土地の周りの植物がある、特有の環境があって成り立つビオトープは、それらの要素が複雑に絡み合って一つのシステムを作っています。小さなビオトープですが、複雑さにおいて大自然と類似性があります。そして人間社会とも同じように類似性があるのです。
(この話は、複雑系科学という分野で詳しく研究されています。2021年、日本人の真鍋先生を含め、複雑系科学の研究者がノーベル賞を受賞しましたね。)
園児たちが大人になって、自分のことや家族のこと、社会のことで問題に直面するとき、幼稚園のビオトープを思い出すことはないでしょう。しかし、複雑なものを相手にして色々工夫した体験は、園児の確かな問題解決力となって身につき、生きる一助となっているに違いないのです。

キアゲハ幼虫

入園後の様子


 こんにちは。
 北住吉幼稚園HPをお訪ね下さり、ありがとうございます。
 新年度が始まり、新しいもも組さんが入園してきました。
 今日は、最近のもも組さんの様子をお伝えしたいと思います。

********************************************

「もも組さんとおもちさん」

 「だるまちゃんとてんぐちゃん」ではありませんよ、「がまくんとかえるくん」でもありません(笑)。もも組さんとおもちさんのお話です。

 「おもち」は、幼稚園で飼っている茶色のウサギです。幼稚園には、他に亀の「かめた」と「かめたろう」も、メダカもいます。おもち、かめた、かめたろうは、ほし組さんがお当番でお世話をしています。

 もも組さんは、お父さんお母さんから離れて初めての集団生活です。先生たちもお友達も、一つ上のほし組さんも、初めて出会う人がたくさん。まだまだ、緊張が抜けません。お母さんと離れるのが辛くて、朝から泣いてしまうお子さんもいます。

 そんなもも組さんは、園ではどう過ごしているのでしょうか。
 小さいもも組さんの緊張をほぐすのに、なんとおもちも一役買っています。先生たちは、もも組さんの思いに応えて、ケージに入ったおもちを部屋に運んできます。

 ふわふわの柔らかい毛並み。優しい丸い目。ぴくぴくとよく動く鼻。

 可愛いおもちはもも組さんに大人気。みんなで取り囲みます。ケージの隙間から草を差し入れると、おもちはぱりぱり音を立てて一心に食べます。

 おもちはいつでもどこでも自然体。そりゃ、ウサギさんですからね。
そんなおもちと接していると、離れがたくなってしまうもも組さんもいるほどです。

 やるじゃないか おもち! がんばれ おもち!
いえいえ、おもちはいつも自然体。そこがいいのです。

***************************************

「もも組さんとコミュニケーション」

 入園したばかりのもも組さんは、まだ4歳です。言葉を話し始めて、まだ2、3年といったところでしょうか。周りの大人やお互いとのコミュニケーションは絶賛練習中です。

 コミュニケーションは、言葉だけではありません。
大好きなおもちに草を差し出して、おもちが飛びついて食べてくれたとき。
「食べたぁ!」
もも組さんの一言は、短くシンプルです。しかし、一瞬で笑みに変わる表情や、感動して立ちあがる動作の様子で、全身から「嬉しい!」という気持ちが伝わるんだそうです。

一方で、伝えたいことがあって、たくさんしゃべるもも組さんもいます。一生懸命なんだけど、知っている言葉が限られるので、周りの大人は、一体なんの話かな?? となってしまうことも。

 でも、担任の先生は、そんなもも組さんの気持ちを読み取ろうとします。
「それって、こういうことかな?」
と、一旦代弁してあげるのだそうです。すると、「先生が分かってくれた!」と、そのもも組さんは満面の笑みに変わります。

 「まだまだ翻訳がいりますね〜」と先生は笑っています。でも、そうやって、先生と子供たちの信頼関係ができていくのですね。

 もも組さんのコミュニケーションはまだまだ自分が中心。遊びの中でも、お友達とのやりとりは練習がいります。
 同じおもちゃを二人が使いたいとき、お友達の遊びを自分もやってみたいとき、すんなり言葉が出るとは限りません。
「そういう時は、貸して、って言おうか」
「入れて、って言ってみてね」
先生たちは、信頼関係を育てつつ、言葉の面でももも組さんをサポートしていくのです。

おもち

進級後の様子


こんにちは。
北住吉幼稚園HPをお訪ね下さり、ありがとうございます。
今年度も、ブログを通じて北住吉幼稚園の素敵なところをお伝えいたします。


最近のほし組(五歳児)さん
 新年度が始まって、新しく四歳児のもも組さんが入園してきました。
ほし組さんは、「もも組さんを迎える会」の準備の真っ最中です。
迎える会では、一体何をするのでしょう。

内容はすべて子供の発想で、ほし組さんが自分たちで決めるのです(ここがとっても素敵なところ!)。
担任の先生に伺ったところ、
「みんな、どんなことを一緒にしたいかな?」
と問いかけて、それ以上の誘導はしないそうです(ここも素敵なところ!)。

ほし組のみんなの答えはというと、
「一緒に手遊びしたい」
「何か作ってプレゼントしたい」
「(自分がもも組のとき、泣いちゃってほし組さんに優しくしてもらったから)やさしくしてあげたい」
こんな意見が出ているそうです。どれも喜んでもらえそうですね!

少し難しい話になりますが、このプロセスは、本来のアクティブ・ラーニングといえるでしょう。
アクティブ・ラーニングは、Plan-Do-Review 、つまり自分たちで計画し、実行し、振り返る学習方法のことです。この方法は、様々な方面から高い教育効果が認められています。
小学校でも「めあて−学習−振り返り」という似た手法を取り入れていますが、大きく違うのは、幼稚園では、Plan、計画が全く子供に委ねられていることです。ここは大切なところで、学習する側の能動的な参加があるからこそ、アクティブと言えるのですね。
 それ故に、迎える会も、単なる行事ではなく、子供たちにとっての素敵な教育であり学習となるのです。

文章はOB保護者の志水が担当しました。


最近のほし組さん
 ほし組では、最近ピザ屋さんがはやっています。
ピザ屋さんは、ピザを作るだけではありません。配達もしなければならないのです。
おや、誰かが思いついたようです。

配達にはバイクが必要だね。
じゃあ、バイクも作ろう!

配達メンバー二人が、段ボールとガムテープでバイク制作を始めました。
バイク制作は簡単ではありません。何日も続けて取り組みます。
折々に他のお友達も参加しているようです。

うちにバイクあるから知ってるよ。
こんなハンドルが付いてるんだよ。 
ここはね、こんな風に曲がってるんだよ。

やっと完成です。 さあ、バイクに乗ってピザの配達に出発です。
ところが、重大な問題が発覚しました。

  このバイク、走らないね・・・

仕方がないので、ハンドルを持ってまたがったまま、何とかジャンプして移動します。
でも、あまりバイクっぽくはありません。

どうしたらいいかなあ。

配達メンバーは、現在思案中です。

その様子を見て、先生は、こっそり車輪のついたおもちゃを持ってきました。
でも、「この車輪を使ってみたら?」とは、言いません(ここが素敵なところ!)。
子供たちが自分で「この車輪を使ってみよう」と気付くかもしれないし、他にもっといい方法を思いつくかもしれません。
大人ができるのは、環境を整えるところまで。
子供たちが自分たちで解決するのを先生は楽しみに待っているのです。

ピザや