金町小の環境教育
平成17年10月13日(木)には、完成をお祝いして全校児童で「こけら落とし集会」を行いました。
葛飾区教育委員会、区議会文教委員長様、地元自治会長様をはじめ多くのご来賓の方や、
ビオトープ作りにご協力くださった方々のご臨席をいただきました。
各学年の代表児童の言葉に、これから行う風力・太陽光発電やビオトープでの学習に
夢や希望がふくらみました。
金町小学校は、江戸川土手の傍らにあり自然に恵まれた環境にあります。
総合的な学習の時間(1,2年生は生活科)では、1年生から6年生まで、
江戸川をテーマにした柱が1本通っています。
そこで、身近で安全に江戸川の自然環境を体験し、観察する場所として、この江戸川ビオトープを作りました。
このビオトープに敷き詰められている土は、国土交通省の許可を得て、江戸川の土手の土を運びました。
その中には様々な草の種が眠っています。それらの種が春には芽吹き、江戸川ビオトープの土手を覆いました。
川底の砂は、教員が江戸川の川底の砂を掘って運びました。
川の中で泳いでいる魚たちは、江戸川から流れ出ている水路から採ってきた魚ばかりです。
毎年春には、浅瀬のヨシの周りでギンブナが産卵し、夏には子ブナが泳ぐ姿を観察することができるでしょう。
このような自然の姿を観察するためには江戸川と同じような水の流れが必要です。
そこでポンプの力で水を循環させています。
その循環ポンプの電源に、自然エネルギーである風と太陽のエネルギーを利用しています。
今、私たちが使用している電気のほとんどは火力、水力、原子力で発電しています。
しかし、いずれの方法にも地球環境を考える上で問題が残ります。
特に、火力発電によって発生する二酸化炭素は地球温暖化の原因とされています。
そこで、江戸川ビオトープの循環ポンプの電源に風力・太陽光発電を利用することで児童により自然への関心を高め、
自然学習や総合的な学習の時間の学習内容を広げるとともに、
日常生活からも自然環境を大切にする心を醸成することができると考えます。
江戸川ビオトープで、子どもたちが江戸川の自然の一部を観察しながら自然の営みを学び、
併せてエネルギー問題にも関心をもち省エネへの意識を高められたらと思っています。
今、地球温暖化が大きな問題になっています。
「2040年夏 北極の氷ほぼ消滅」という見出しが新聞の一面に掲載されました。
温暖化予測には不確実性が伴うとはいえ、今、温暖化対策の重要性が浮き彫りにされています。
金町小学校では、平成17年度、特色ある教育活動として、
ビオトープの循環ポンプの電源に風力・太陽光発電を取り入れました。
身近に自然エネルギーを活用することで、児童に地球温暖化防止やエネルギーへの関心を高め、
省エネの実践に努めてきました。
そして平成18年度、葛飾区の温暖化防止対策の一環として、葛飾区の学校で初めて、
太陽光発電が実生活の中に取り入れられました。
屋上に設置された太陽電池モジュールで、最大2.3kwが発電されます。
平成18年12月22日に配線がつながり、太陽光で発電された電気は、一階正面玄関と北側廊下及び、
二階北側廊下の照明に優先的に使われています。
正面玄関には発電量を表示するパネルが取り付けられ、その時々の発電量が分かるようになっています。
常の生活の中で、児童や教員がより一層、自然エネルギーへの関心をもち、
省資源・省エネへの意識を高めることができるようになりました。
平成19年3月には、環境問題の啓発パンフレットも完成しました。
家庭と学校が一層の連携を図って、広く環境問題をも考え、を大切にし、
思いやりの心をもった子どもたちを育てていきたいと念ずるものです。
金町小学校の「風力・太陽光発電を利用した循環型江戸川ビオトープ」の取り組みが、
環境教育賞主催者賞(主催:コカ・コーラ環境教育財団、協力:読売新聞社)に輝きました。
この賞は、青少年を対象として、グループ活動を通じて自然を理解し、
大切にする教育を行っている団体または個人の活動を助成、支援することによって
環境教育の促進を図ることを目的としています。
金町小学校では、ビオトープ造りにあたり、江戸川の自然に近づけるために国土交通省の許可を得て、
江戸川の土手の土や川底の砂や江戸川の水を運び「ミニ江戸川」を再現したこと、
ビオトープの循環ポンプの電源に風力・太陽光発電を利用していることなどを通して
児童に自然を愛する心を育てているとともにエネルギー資源への関心を高めていることが高く評価されたのです。
また、朝日小学生新聞からは取材を受け、平成19年10月29日の新聞に「ミニ江戸川」や
児童の活動の様子が紹介されました。
児童は、「学校にビオトープがあることで、ほかの場所の自然も大切にしなければと思うようになった」
「地球温暖化を防ぐために、自然エネルギーを役立てたい。家でも電気のむだづかいをやめるようになった」
などと話してくれています。
今、地球温暖化が大変大きな問題になっています。
二酸化炭素の排出量を減らし、温暖化を遅らせることを積極的に進めていかなければなりません。
私たちは、人の生き方を振り返り、できることから限りある資源の循環をしながら、
「もったいない」の心を日常の暮らしの中に根付かせることが大切だと思います。
金町小学校で行っている環境の学習が、「環境の心」を育て、「環境の実行」に繋がってくれることを願っています。
待機電流計を貸し出します
各家庭での暮らしの「振り返り」の方法として待機電流計を貸し出します。
スイッチを切っていても、電源が入っているとどの位の電気が消費されているのかがわかります。
ぜひ、この機会に試してみてはいかがでしょうか。
金町小学校の「風力・太陽光発電を利用した循環型江戸川ビオトープ」の取り組みが、
全国学校ビオトープ・コンクール2007(主催:(財)日本生態系協会、
後援:文部科学省、環境省、国土交通省他)で銀賞に輝きました。
平成20年2月10日に国立オリンピック記念青少年センター大ホールで行われた発表会で表彰されました。
このコンクールでは、学校ビオトープを通して環境教育を進めていくために、
大切なポイントを6つの評価観点に整理し、審査を行います。
評価観点は、
・地域の自然をお手本にし、地域の野生生物が暮らしやすいよう工夫しているか
・計画から整備の段階で、子どもたちが主体的、積極的に取り組んでいるか
・計画から整備の段階で、学校が保護者や地域住民、行政、環境NGOなどと積極的に連携を図っているか
・子どもたちの豊かな感性を育むために、積極的に活用を図っているか。
また、教材として広く活用しているか
・整備後、学校ビオトープの維持管理、活用を継続的に進めるための体制が整っているか
・学校内の取り組みから発展させ、地域に向けて自然と人のつながりを広げていく視点をもっているか
です。
身近に自然を観察することができ、その変化を感じることができる金町小の子どもたちは幸せだと思います。
改めて、ビオトープづくりや児童への指導にご協力くださった方々に感謝申し上げます。
ありがとうございました。
おかげ様で、金町小学校では、全学年が指導計画に従って、環境学習を進めています。
特に、6年生では平成18年度より早稲田大学永田研究室の学生と連携して行っています。
平成19年度は、早稲田大学の学生と一緒に、NECとも連携して、
日常のエコチェック活動や身近な太陽光発電や風力発電の学びを通して、
日常的に環境配慮活動が行えることを目指しました。
子どもたちは、身近な環境・エコ活動についてテーマを定め、
総合的な学習の時間に調べ学習を行いました。
そこから自分の生活を振り返り、自分たちがどういう行動が取れるかを考え、
まとめたものを発表しました。
発表会には、6年生の保護者や地域の方々、葛飾区教育委員会や環境課の方々等多数いらしてくださいました。
子どもたちだけでなく、各家庭・地域に環境問題やエネルギー問題への取り組みの輪を
広げていかれたらと思っています。
文部科学時報6月号グラビアページに掲載
金町小学校の「風力太陽光発電を利用した循環型江戸川ビオトープ」を活用しての授業風景が、
文部科学時報6月号(平成20年6月10日発行)に写真入りで紹介されました。
併せて、朝のジョギングや裸足で元気いっぱいに遊んでいる子どもたちの姿も紹介されています。
平成20年、洞爺湖サミットが開催されることもあり、「環境教育」に焦点をあて、
自然の中での特徴的・先導的な取組について紹介したいとのことで、
文部科学省政策課からの依頼で5月7日に取材を受けました。
子どもの頃から身の回りの自然や生物を理解し、接することで、
環境を大切にする心が芽生え、育っていくのです。
改めて、ビオトープづくりにご協力くださった株式会社イーエス トゥエンティ・ワン代表取締役渡辺良男様、
元PTA会長飯村惠夫様をはじめ多くの方々に感謝致します。
ありがとうございました。受付に1冊置きますので、来校の折に是非ご覧ください。
日本テレビ「ズームイン!!SUPER」で紹介
東京都環境局の推薦により、日本テレビ「ズームイン!!SUPER」の中の「日テレECOウイーク」で
金町小学校の『第2校庭の芝生及び田んぼ』での子どもたちの学習や活動の様子が放送されました。
「緑化に取り組む小学校」として、校庭芝生化を取材し、ECOに取り組む小学校として紹介するとのことでした。
平成20年6月2日(月)午後に撮影し、6月5日(木)朝6時34分から放送されました。
第2校庭開き エコの林植樹祭
平成20年3月に全校児童で張った第2校庭の芝生が青々と美しく生えそろいました。
6月15日の第2校庭開きを楽しみにしながら、第2校庭での子どもたちの活動はすでに始まっています。
田んぼでは、2年生と5年生の児童が5月12日に佐藤長治様、松丸武二様、細谷浩様のご指導のもと、
全員裸足になって田植えをしました。その稲が風にゆれてなんとも爽やかです。
毎日の清掃時間には、当番学年の児童全員が、芝生の中の雑草を抜いたり、
周りのごみや石を拾ったり、水をまいたりしています。
19年度、全校で「CO2ダイエット宣言」をして東京電力からいただいた苗木の植樹は
「第2校庭開き」に行いました。
金町小学校から、「ECO発信」ができたらと考えています。
自然体験・生活体験をもとにして、自然に対する接し方、生活技術を身に付けさせることは、
豊かな感性や環境に対する感受性を培うことにつながります。
すばらしい環境の中で、保護者や地域の方々のご協力をいただきながら、
子どもたちに「確かな学力」と「豊かな人間性」を育む環境教育を推進していきたいと考えています。
金町小学校の環境教育の取り組みが、コカ・コーラ環境教育賞
(協力:読売新聞、後援:環境省・文部科学省)に輝きました。
この賞は、
1)青少年を中心とした活動であり、組織化されていること
2)活動が実践的かつ継続的であること
3)ボランティア活動または学校の授業・課外活動であること
4)自然に関する知識を教授する活動にとどまらず、
野外での実践を通じて、主体的に自然を理解・大切にする教育活動であること
5)学校をベースとした活動であっても地域コミュニティへの働きかけのある団体・個人であること
などの選考基準により全国133団体の中から10団体を選出しています。
金町小学校がその中の1校に選ばれ、8月23日「コカ・コーラ環境フォーラム2008」で表彰されました。
そして、本校の環境教育にコカ・コーラ教育・環境財団より援助協力をいただけることになりました。
平成16年度に、自然環境調査のお仕事をされている渡邊良男様、元PTA会長飯村恵夫様をはじめ、
多くの方々のご協力によってできた「風力・太陽光発電を利用した循環型江戸川ビオトープ」に始まり、
太陽光発電の実エネルギーとしての活用、第2校庭の芝生・田んぼ・全校で
「CO2ダイエット宣言」をして植樹した「金町エコの林」、それらを活用し、大学や企業等との連携や、
地域の方々の指導をいただいて行っている環境学習、そして、第2校庭の維持管理への
「グリーンキーププロジェクト委員会」の方々のご協力等が高く評価されたものと考えます。
改めてご協力くださった方々に感謝申しあげます。ありがとうございました。
保護者や地域の方々のご協力をいただきながら、
身近な自然とのふれあいを通して地球環境への関心を一層高め、
思いやりの心を大切に、「環境の実行」に繋がっていくことを願っています。
・株式会社イーエス トゥエンティ・ワン
(ビオトープ「ミニ江戸川」の設計・指導・管理等)
・早稲田大学 永田研究室
・日本電気株式会社
・日本アイ・ビー・エム株式会社
・地域の方々
・元PTA会長・役員・委員の方々
・金町小学校グリーンキーププロジェクト委員の方々
(第2校庭の維持・管理)
・葛飾の川をきれいにする会